カードローンやクレジットカードのリボ払いの借金が多すぎて払えない。
仕事ができなくなって今まで通り借金返済を進めることができなくなった。
自分にできる範囲で収入を増やす努力も支出を減らす努力も最大限やってきたけど、もうどうにもならない。
そんな借金返済に行き詰まっている方に考えていただきたいのが、自己破産や任意整理などの手続きにより借金を帳消しにしたり大幅に減額したりできる「債務整理」です。
債務整理には、自己破産、任意整理、個人再生の3つの方法があり、それぞれにメリットやデメリットが存在します。
普通は借金問題を扱う弁護士に相談しながら、現在の借金残高や収入などの状況によって、3つの中からご自身に最適な方法を選んでいきます。
債務整理は弁護士や司法書士など借金問題の専門家のアドバイスが必要なものだけに、普通に生活している一般人にとってはよくわからないものです。
わかりにくい債務整理について、わかりやすく解説しますね。
借金帳消し!借入残高をゼロ円にできる自己破産
自己破産は裁判所に破産を申告し、裁判所から認められるとカードローンやクレジットカードのリボ払い、奨学金などの返済義務をすべて免れることができる債務整理の方法です。
裁判所から借金の返済を免除してもらう自己破産は、借金をゼロ円にできる最も強力な方法と言えます。
ただし、借金をゼロにするためには、裁判所からその借金についての免責を受けなければなりません。
中には免責不許可事由に該当し、裁判所からの免責が受けられずに借金をゼロにできない場合もあります。
また、税金や罰金の支払い、裁判所で定められた養育費の支払いなどは自己破産でも免責されることはありません。
自己破産のデメリット
借金を帳消しにできる自己破産は強力な方法だけにデメリットもいくつかあります。
1:現金にして99万円を超える資産は没収される
まず自己破産をすると、現金にして99万円を超えるものは資産として没収されます。このため、車や住居を手放さなければならない場合もあります。
2:就業制限があり特定の職業に就けない
さらに自己破産は裁判所から免責が下りるまでの期間は就業できる仕事にも制限がかかります。
弁護士や税理士などの士業、古物商、保険外交員、宅地建物取引主任者、警備員といった仕事についている方は、裁判所から免責が決まるまでの期間、仕事に就くことができません。
免責後に復職することは可能ですが、現在該当職種に就いている方が仕事関係者に自己破産の事実を隠すことは、ほぼ不可能でしょう。
3:クレジットカードやローンの利用ができなくなる
自己破産をするとCICなどの個人信用情報機関に金融事故としてブラックリスト登録されます。
そのため、自己破産をして個人信用情報の事故情報が消えるまで、最低5年はクレジットカードや各種ローンの契約ができなくなります。
4:官報に破産者情報として掲載される
自己破産をすると、破産者として官報に情報が掲載されます。掲載期間は10年です。
一般の人が官報を目にする機会はほとんどありませんが、身辺調査などをされると自己破産をした旨は知られることになります。
5:破産者情報としてネット上に公開される恐れもある
最近では破産者マップ、モンスターマップ等、官報の破産者情報のデータを取得してネット上に公開するサイトも出てきています。
こうしたサイトを興味本位で見ている人には自己破産の事実を知られる恐れもあります。これも自己破産をした人には新たなデメリットになっています。
自己破産は借金がゼロになるのと引き換えに、資産があれば没収されてしまいます。自己破産は親から引き継いだ家などの資産がなく、さらに仕事もあまりできず収入がほとんどない方に向いた債務整理の方法です。
自己破産はデメリットも大きいので、弁護士さんとよく相談した上で決めるのがよいです。
家族に内緒にできる?クレジットカードも使える?任意整理について
任意整理とは、弁護士や司法書士などの専門家が債権者と交渉して、無理なく返済できるよう借金を減らす方法です。
借金のある消費者金融やカード会社などと個別に交渉し、利息分をカットして元金のみの返済にしたり、返済期間を延長するなどして借金返済の負担を減らします。
任意整理では自己破産のように借金はゼロにはなりませんが、専門家を間に立てることで家族にも知られずに内緒で手続きを進められる、連帯保証人にも迷惑をかけないなどのメリットがあります。
また、任意整理は債権者を限定して交渉するため、自己破産や個人再生と違って相手先を選ぶことができます。
例えば銀行カードローンや消費者金融とだけ交渉を行い、クレジットカード会社だけは交渉せず、これまで通りきちんと支払いをすれば、クレジットカードも引き続き利用ができます。
ただしCICなどの個人信用情報機関には交渉した金融会社から事故情報が載せられるため、新規でクレジットカードを作ったりローンを組むことは5年間は行えません。
任意整理は「収入があり借金の元本だけなら返済の目処がつく方」におすすめです。自己破産とは異なり普段の生活への影響が軽微で職場の人に知られることもまずありません。
債務整理を行なった方の約8割は結果的に任意整理を選んでいます。
借金を大幅に減らし家も残せる!個人再生について
個人再生とは、自己破産と同様に裁判所から認可をもらうことで借金を大幅に減額できる手続きです。
個人再生の手続き後は法律で定められた最低弁済額を原則3年間で返済していきます。
自己破産と違い借金がゼロにはなりませんが、それでも最大で5分の1程度にまで借金を大幅に減額できます。
個人再生は持ち家がある人は家を残して借金を減らすことも可能です。
住宅ローンを返済中の方も住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を活用すれば、住宅ローンの支払いは残るものの、住居を残して住宅ローン以外の借金を減額することができます。
個人再生は裁判所での手続きが必要ですが、自己破産のように職業の就業に制限もありません。
自己破産、任意整理、個人再生のメリット・デメリット
自己破産、任意整理、個人再生にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、簡単にまとめると以下のようになります。
項目 | 自己破産 | 任意整理 | 個人再生 |
---|---|---|---|
5年間カードを作れない | ◯ | ◯ | ◯ |
5年間ローンを組めない | ◯ | ◯ | ◯ |
官報に掲載される | ◯ | ー | ◯ |
職業の就業に制限がある | ◯ | ー | ー |
借金をゼロにできる | ◯ | ー | ー |
借金を大幅に減らせる | ◯ | △ | ◯ |
収入がなくても手続き可能 | ◯ | ー | ー |
自宅(住居)を残せる | ー | ◯ | ◯ |
家族にバレない | ー | ◯ | ー |
債務整理をすると、個人信用情報にはその旨が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。
とはいえ新規のクレジットカード作成やローンの契約に影響が出るだけで、借金の返済に追われていた頃よりも暮らしはラクになる人がほとんどです。
個人信用情報機関は5年で事故情報が抹消されます。官報も10年経てば掲載は終了します。
また、仕事の就業に制限がでるのは自己破産だけですが、任意整理や個人再生でも銀行や金融機関等に勤めている場合は仕事に影響が出る場合もあります。
そのような点も踏まえて、借金返済に行き詰まっている方は弁護士に相談するのがおすすめです。
借金地獄でお金ないけど、債務整理の弁護士費用の支払いはどうするの?
自己破産で借金をゼロにしたい!
個人再生や任意整理で借金地獄に完済の目処をつけたい!
でも借金まみれでお金ないのに、弁護士に相談できるの?大丈夫なの?
安心してください!
弁護士の先生に何かを相談するのは、普通ならお金がかかります。
しかし借金問題を扱っている法律事務所なら、依頼者が借金返済に追われてお金がないことは十分に承知しています。
そこで、借金問題を扱う法律事務所の多くは依頼者からの相談は無料にし、実際に自己破産や任意整理などを受任した場合も弁護士費用を後払い・分割払いにしているところが多くなっています。
毎月の借金の返済額が少なくなったのが確定してから、弁護士費用を少しづつ払っていく形になるのです。
それでも任意整理だと利息分がカットされただけで、元本の返済と弁護士費用の支払いが同時に来るとまた払えないのでは?と心配になるかも知れませんね。
その場合は任意整理で借金の減額が確定した後、まず弁護士費用の支払いが行われ、弁護士費用の支払いが完了したあとで任意整理による借金返済がスタートします。
弁護士費用の支払い時期と借金返済の時期が重ならないように、返済時期をずらす交渉もしてもらえるのです。
これなら現時点で借金地獄で大変な状況にある方でも、無理なく弁護士費用の支払いができるはずです。
借金問題の弁護士への相談や依頼は、借金地獄の最中でもお金の面では心配無用です。弁護士費用はもちろん支払うことになりますが、自己破産や任意整理の手続きが完了し、借金が大幅に減ってからの後払い・分割払いです。
多重債務で返済不能になっている。返済で生活費がほとんどなくなる。そんな方は一度、借金問題を扱う弁護士さんに相談してみましょう。
借金問題対応の主な法律事務所
借金問題の主な法律事務所 | 初回相談 | 対応地域 |
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